夢と現実の狭間の答え。

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******************** 〈-ゆずるside-〉 …ただ興味本位で聞いたはずだった。 「…花を売ってる。よく通ってくれる人が居るんだけどね? 赤いチューリップを渡すの」 その夢には、聞き覚えがあった。 まるで昨日の俺の夢…。 「え………」 …こんな事ってあるのだろうか? 「…最後は魔女だって言われて火炙り。…本当は、お姫様になりたかった。夢にこんなに影響されるなんて、本当に馬鹿らしいんだけど。何回も何回も繰り返し見ると…なんか、ね?」 …そう言って苦笑する実範さんに、胸が痛む。 …まるで、胸の中のもう一人の俺が泣いているみたいに。 「ゆずる、君?」 …戸惑う実範さんに、確信にせまる質問を投げかける事にした。 まるで、重厚な扉を開けるように。 「…ねぇ、実範さん。かすみそうの花言葉、知ってる?」 …そんな俺の言葉に、実範さんは小さく頷いた。   「うん。…かすみそうはね゛赤ちゃんの吐息゛と呼ばれるくらいだからとても無垢な花だよ。花言葉も…清い心、切なる願い」 …その瞬間、涙がこぼれた。 その答えが、花言葉を教えてくれたカミラと殆ど同じ答えだったから。 …まるで、夢の中の少女が目の前にいるみたいで。    
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