始まりは、踏みつけられたラブレター。

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…その日の俺は、最悪だった。 そう、始まりは中庭。 …振られたワケは、ヒドくシンプルで… とても、明快なモノだった。 「ゴメンね?小林君。私面食いだから」 彼女は鼻で笑って、俺が3時間かかって書き上げたラブレターを高いヒールで踏みつけながらそう言った。 ‥こうして、俺は‥ 3年間片思いしていた彼女に見事玉砕した。 その後、何処をどう歩いたのかわからない。 気付いたら、公園のトイレで顔を洗っていた。 (‥確かに、イケメンには程遠いよな?) 鏡に映る自分は…、確かにテレビドラマや雑誌で見かける、俳優やモデルには、程遠い顔をしている。 (‥‥わかってたことだ。 でも‥ 諦められないから、今こうなってる) 俺は少し長い前髪をかきあげると、…鞄を抱えて外にでた。
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