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‥辺りは、すっかり暗くなっていた。
ブランコの前の仕切りに置かれた鉄パイプに腰掛けて、少しの時間を過ごすと、ショックで真っ白になっていたはずの頭の中が少しずつ色を取り戻していくのが分かった。
(あぁ、俺は振られたんだ)
中学の時、運動会でケガをした。
‥俺を手当てしてくれたのが、彼女‥
゛綾乃さん゛だった。
不器用だけど、一生懸命包帯を巻いてくれた彼女に、惹かれた。
‥土で所々汚れたラブレターをポケットから引っ張り出して、指先で土を払う。
゛学祭のダンスを僕と踊って下さい゛
必死で考えた自分が急に情けなくなって、気付いたら涙が頬を伝っていた。
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