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自室からのんびりと流れる雲を見つめて、手元の写真を見つめて、また雲を見つめて、そして溜息。 どうしましょう。俺、人生初の恋愛というものを経験真っ最中らしいです。 相手を想って、少しだけ妄想に入って、現実を見つめて、絶望。でもまた想う。のエンドレス。 恋煩いってやつです。 虚ろな目で見つめる写真の中には、俺と弟が高校の入学式の前で仲良く並んでいる姿が。 俺、新城レオ。今年で17歳の高校2年生。ついでにいっておくと双子です。双子の兄貴の方やってます。 弟は新城リオ。俺と同じ顔、同じ体格のマイブラザー。 俺達はいわゆる一卵性双生児。髪は俺の方がちょっと癖がついてるし、背も俺の方が高いんだけどね。 ここで1つクエスチョンです。 冒頭の恋煩いのお相手が、そのマイブラザーだとしたら、俺は一体どうすればいいんでしょうか。 某知恵袋で質問を投稿したら、ベストアンサーはきっと『諦めろ』なんだろうな。 うん、分かってる。それが一番平和に過ごせる選択肢だって。だけど、だけど… 「うわぁああああああ無理に決まってんだろーがぁああ!!!アホか俺ッ!!」 今まで何度あの自問自答を繰り返したことか!でもそうしてもリオへの想いが消えてくれないんだよ!! さっきも言った通り、双子だから顔はほとんど一緒なんだよ。 でもな、でもな、リオの方が100倍可愛いんだよッ! 顔の構造はそっくり、なのにリオは俺より断然優しい目つきで、俺より断然綺麗な肌で、俺より断然可愛い顔なんだよ! もうお兄ちゃん、食べちゃいたいです。 というか、もう無意識に実行しちゃいそうで怖い。 ふと隣のベットですやすやすやすや、気持ちよさそうに昼寝しているリオを見て。やっぱり、出来るのは溜息だけ。 今朝。 新城家一階リビングにて。見飽きた生活スペースにはキャリーバッグが二つ。その取っ手を握っているのは母さんと父さん。 なんだろう、この明らかな『突然だけど旅行行ってきます!』的な空気は。『少しの間、留守番お願いね』的な空気はなんだろう。 折角の休日なのに朝から叩き起こされて呼び出し。そしてこの状況。嫌な予感しかしないぞ。 「一応聞くが、その大荷物は何」 「ふふふ、聞いて驚くな!突然だけどお母さん達、旅行に行ってきます!」 きたこれドンぴしゃ!俺すごい、超能力者! ドンぴしゃ過ぎて本当に驚けない!
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