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「だから五日間だけ、留守番お願いね」
「きたこれドンぴしゃ二連発。ベタすぎるだろこの展開、少女マンガかっつーの」
「お兄ちゃん、ごめんね。足手まといにはならないようにするから……」
唐突に愛しのマイブラザーからお声が。
しかし謝らせてしまった。あぁああああああ俺としたことが!リオに謝らせてしまうなんて!!
よし、良く考えろ俺。やっぱり少女マンガっていったらラブハプニングがつきものだろ。てことは、うん、うん。
「オーケー母さん父さん、旅行楽しんでこいよな!寧ろ一週間行って来ても構わないよ!」
「さっきとの態度の違いなんなのよレオ。まぁいいわ。戸締り気を付けてね!」
「……じゃあ、行ってくる。家燃やすなよ」
というやりとりをして午後二時ほど。
リビングで昼ごはんを食べて、少し俺はそこでゲームをして。疲れて自室に戻ってきたらなんと、そこには幸せそうに寝ているマイブラザーが居るじゃありませんか!
俺とリオはそれぞれ自分の部屋を持っている。と、いうことは。なんで俺の部屋でリオが寝ているのか。
部屋を間違えた?そんなわけあるか。俺の部屋とリオの部屋は物の量が違う。
俺の部屋は男子高校生らしくぐっちゃぐちゃ。教科書まで床に落ちているという大惨事。
一方リオの部屋はきちんと綺麗に整理整頓されていて、きっとそこらへんの女子より女子力高いんじゃないかな。
趣味の本は綺麗に全部シリーズごとに。シリーズじゃないものは出版社別に、さらに背の高い順に左から。という徹底ぶり。
そんな一目瞭然に分かる違いだってのに、それに気づかないわけないだろう。
じゃあなんで?
……答えが出てきてくれない。
俺は散らかっているところを避けて避けて、座れるスペースを確保して胡坐をかいている。
丁度近くに落ちていた去年の生徒手帳の中に、何かが挟まっているのが見える。
挟まっているのを引っ張り出してみると、それはリオと高校入学のときに撮った写真。写真というか、生徒手帳に挟まるようなサイズになっているのでかなり小さい。
ここでようやく冒頭に戻る。
さて、どうしようか。
『さて』とかいってるけど、実際解決策が無いんだよな。叩き起こすとか、そんなこと出来るわけないし。
だからと言ってこのまま俺の部屋で寝られると、イロイロ危ない。
なにが、ってあれが。
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