7人が本棚に入れています
本棚に追加
「リオー?部屋間違えてるぞー?」
話しかけてみるものの、返ってくるのは寝息だけ。
肩を揺さぶってみる、とかはどうだろう。
だめだそれこそ理性が持たない。現役男子高校生は危ないんだぜ。
…でもさ、考えてみろよ新城レオ。
こんなチャンス、今後そう簡単にくると思うか?
答えはノー。
と、いうことはさ。やっぱりここは肩揺さぶる攻撃でいいんじゃねぇか?
脳内で独り芝居をした結果、やはりここは危険を冒してリオに触れてみようではないか、ということに。
ゆっくりと、床に落ちているものを踏まないようにベットに忍び寄る。
そして、肩を軽く押してみる。
か、固い、だとっ…!
衝撃の事実。リオの肩は予想以上に固かった。
俺の肩も固い方だけど。だってサッカー部だし。だけどそれ以上に固い気がする。肩凝りとかじゃなくて、筋肉の固さ。
うそん、いつのまにリオはこんなに成長しちまってたんだい。
きっと女子みたいにやわらかいんだろうなー、という俺の淡い幻想が消えた瞬間であった。
だがこんなことで嫌いになるほど簡単じゃないんだよ。むしろ既にギャップ萌えに変換されてる。俺の脳って万能でしょ。
と、いうことで。
どうしよう、凄くどうしよう。これ以上は触れては危険な気がする。レッドゾーンな気がする。
いくら身体が固かったからといって、それはリオに違いなくて。
このすやすや寝ている天使には間違いないわけで。
こんな至近距離で、しかも触っちゃって、さらにギャップ萌えで。
俺の脳内で警報が響いてます。
でも、また脳内独り芝居。
ここまできたんなら、勢いでもう少しだけいってみろよ。
いやでも流石に持たないって。
いやいや、起きなければ大丈夫だって。
いやでもさ、リオって眠り浅いはずなんだよな。
とかやってると、
「兄ちゃん、じれったい」
「へっ?っちょ、うわっ」
いつの間にか、目の間が白いです。ベットのスーツの色ですね、これは。
そして、背中に生暖かい感触があるんですけど、これはなに。腕みたいなんだけど。
そしてそして、なんだか顔の真横に人の髪と思われるものがあるんですけど。肌にあたってくすぐったい。
「ねぇ、兄ちゃん」
「ってリオなにしてんだお前ぇええええええええええええええ!!!」
どうやら俺は、リオに腕をつかまれてベットの中に入り、そしてリオに抱きしめられているっぽい。
最初のコメントを投稿しよう!