ばあちゃんが死んだ

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オレが大きくなるにつれ、おばあちゃんとの頭の声当ての遊びはやらなくなっていった。 だが時おりおばあちゃんの声が頭の中で聞こえた。 「もう暗いから帰っておいで」 友達との遊びに夢中になっているとき、不意におばあちゃんの声が頭の中で聞こえることがあった。 はっとして辺りを見渡すと確かに日は落ちかけ薄暗くなりはじめている。 「おばあちゃんが帰ってこいって言うからまた明日ね」 遊んでいた友達に帰宅する事を告げると不思議そうな顔をされることも有った。 家に着くと夕飯の仕度を終えたおばあちゃんが微笑みながら「おかえり」とオレの頭を優しくなぜてくれた。
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