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「おばあちゃん今だめになった」
沈痛な声音でおやじが言った。
「うん…」
オレは用意していた言葉で返事をした。
「今ダメになった」のではなく、オレが学校の門をくぐった30分ほど前におばあちゃんは逝ったんだと思う。
「光一、逝くからね。」
校門を一歩なかに入った時にむしのしらせと言うのかおばあちゃんの声を聞いた気がしたのだ。
ふいに溢れてきた涙を近くにいた友達に気付かれぬようぬぐい、教室へと向かったのだった。
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