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「いや、いいよ。開店時間まで、ちょっと寝るから。今日は3時まで営業の日でしょ? 少し寝とかないと、もたないしさ」
「そうですか。じゃあまた夜、お願いしますね」
にっこりと微笑むと、アリサは再び開店準備に戻る。
「うん、じゃあまた、夜ね」
軽く笑顔を返し、カウンター横の階段を、セトミは上って行く。夜とは、彼女が店に出る時のことだ。といっても、もちろんバーテンやウエイトレスとしてではない。あまりないことではあるが、この店でごたごたが起きた時の用心棒としてだ。
これも、セトミの仕事の一つである。この危険な街のバーで、用心棒をする代わりに、彼女は部屋を用意してもらっていた。
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