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「おい、姉ちゃん。こっちに来て酌しろや。ウェイトレスだろ?」
セトミが現れたことに気づいた男たちの一人が、下品な笑顔をこちらに向けて手招きする。
「私はウェイトレスじゃなくて、用心棒。自分の酒くらい、自分で注ぎな」
セトミの言葉に男は勘にさわったような様子を見せたが、セトミの腰のカタナと銃ををみると、舌打ちしながら視線を逸らした。
やがて、徐々に客も集まりだし、店を普段の喧騒が包みだす。常連のお客さんの姿もちらほら見えるようになり、いつもののんびりとした空気が店を染め出していた。相変わらず、アリサは柄の悪い男たちに追い立てられていたが。
「よっ、セトミちゃん。今日も番犬ならぬ、番猫かい?」
「そーよ、ここで悪いことする奴はひっかいちゃうんだから」
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