The evil that men do

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 男の言葉には何も反応せず、セトミは客をつかみ上げる男の足を、おもいっきりブーツのかかとで踏みつけた。ぐぎっという耳障りな音とともに、男の顔が苦痛に歪む。  その様子に眉一つ動かさず、セトミは男の胸倉をつかむ。横目で客が男の腕から解放されたのを確かめると、目線より上にある男の胸倉を力任せに引き寄せた。同時に、そのみぞおちを狙って膝で勢いよく蹴り上げる。  一発、二発、三発。  そこで手を離すと、男は腹を押さえてよだれを垂らしながら、よろよろと後退した。さらに容赦なく、セトミはその顔面に、体重をかけた前蹴りをお見舞いした。 「げべっ!」  男が情けない悲鳴をあげながら、テーブルと椅子を巻き込みながら吹き飛ぶ。
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