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それにしても仕事の早い人だ。
今日中に終わる量ではなかったはずなのに。
「お疲れ。で、彼は何を?」
怪訝な顔で、ぶつぶつ呟きながら歩き回る木戸先生を見やる。
「さぁ、たぶん何かイメージが湧いてるんじゃないかと……」
「そうか、それならよかった」
ホッと安堵した表情が夕日に照らされてとても綺麗で。
「はい」
そう返事をしてまた海に視線を戻した。
まさか課長とまでこうして夕日を眺めるなんてこと、今まで想像したこともなかった。
こんなちょっとした何気ない出来事が、少しずつ私の日常を変えていく。
それは私にとって良い事なのかそうでないのか、今はまだわからないけど。
毎日仕事漬けだった生活が、少しずつ変わろうとしている気がした。
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