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私はとりあえず直線に
長いこの道を歩くことにした。
異様な空気に感じるのは
先ほどの死体に似合わない
晴れ渡った天気のせいだろう。
天気は何物にも関わらず、
自分を貫くのだ。
陽射しが私を照らし
血が中途半端に
乾き始める。
途中、謎の建物の中を
見たが、どうやら牛小屋の
ようだった。
残念ながら牛の姿は
無かったが。
私はさらに進む。
じょじょに見える家が
増え、住宅地らしきところに
到着した。
今だに生きている人を
見かけないことに
不安を感じていたが、
家が多く見えたことで
生きている人を探せそうだ。
「誰か!誰かいませんか?」
私は少し大きな声で
呼び掛ける。
数秒の間があった後、
二軒奥の家の扉が
ドン!と開いた。
「生存者か!どこだ!」
低いおじさんのような
声が、その扉から
聞こえた。
私は安心感で満たされ、
声を返す。
「ここです!」
私はすぐに扉に向けて
駆ける。
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