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私はその旨を伝える。
「き、記憶がない?!
……とにかく!
部屋から出るなよ!
あと食べ物や飲み物に
迂闊に手を出さないこと!」
永田はまずそう言った。
「状況を簡潔に言うなら
化け物に成り果てた
人間がうろついている。
今、そこが安全なら
動かないのがベストだ。」
私は混乱してきた。
いったい今、
何が起きているのか?
それから永田とは
どういう関係なのか?
今いる場所はどこなのか?
私は……誰なのか?
「――い!おい!
大丈夫か?!」
少し頭がボウッとしていた
みたいだ。
「あ、はい。」
私は返事を返す。
「無理はするなよ……。
一応、武器はしっかり
持っとくんだ。」
武器……
何故か机の上にある
リボルバー式の拳銃。
弾が横に5発、
転がっている。
私はこの拳銃に対し、
強い嫌悪感を抱いた。
理由は分からない……。
「―ッ。何から
言えばいいか……。
とりあえず、今すぐには
助けにいけない。
無事でいてくれ。」
永田はそういって
通話を切ったようだ。
切る直前、永田の後ろが
騒がしかったような気がする。
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