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あれから丸一日が過ぎた。
一時は激しい空腹と
喉の渇きに見舞われたが、
今はいったん落ち着いている。
どうやら空腹の向こう側が
あるようだ。
……なんて。
馬鹿げた事を考えながら
黙々と時間が過ぎるのを
待っていた。
餓死するのが先か、
助けられるが先か。
ふと考えた、自分の考えに
嫌気がさして、
窓際へと歩く。
人気のない畑。
それが窓から見える風景だ。
物語なら行動を起こせば
変化があると、
考えたが、何も変わることは
なかった。
今の非現実な状態を
物語と例えるのは
それほど可笑しくは
ないだろう。
ただ現実に物語を
持ってきた場合、
どうしても生々しい話へと
変わるのだろう。
それからさらに二時間が
経った。
相変わらず変化がない。
最初は小さかった
私のある気持ちは
だんだんと私の中で
膨れ上がっていた。
自分で何とかしないと。
密室のような状態で
追い込まれた私の
思い付く先は、
危険への飛び込みだった。
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