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朝のホームルーム。
「奈央子、そういや玄関の短冊さぁ、まだ書いてないでしょ?一緒に行こー」
「良いよー」
あかねと奈央子が玄関ホールに行くと、休み時間ということもあり、笹の周りには人でごった返していた。
別に強制ではなく、書きたい人だけでよい自由イベントなのだが、それでも皆 夢中らしい。
下駄箱を通り過ぎたところにある笹コーナーに近付き、人々を避けて手を伸ばし、短冊を取る二人。
あかねは一番上にあった赤い長方形を取った。一方の奈央子は―…
「どれでも良いじゃない」
何か目当ての短冊でもあるのか、そう言うあかねを無視しながら、短冊をパラパラとあさっていた。
「だって!良いでしょ?どうせならカワイイのに書きたいし!んーと、なかなか無いなぁ」
「太田さん、ピンクの星形ならここにあるよ」
二人が振り向く先にいたのは、野城。
手には、短冊の山々を持っている。
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