第一章 酒口の凶行

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   いわゆる爆竹を、束のままで引火させ連続した爆発音が響き渡る。  まさに、そうしたのであろう。  しかし、既にその爆竹に引火したと見られる人物の姿は無い。おそらく、前を通る県道を走る車の窓から投げたのか。自転車で、通りがかり投げ込んだと見られる。  単なるイタズラにしては、悪質であった。  そして、文句を言いながら署内に戻る。すると今度は、酒口が久坂を拉致するという、凶行に出ていたのだった。 「おいっ。矢次、追うぞ」 「はいっ、すぐに車を出せます」  警察車両で逃亡を計る酒口たちを、北方と矢次も警察車両で追う。加えて、交通課の白バイ二代も追走する。  刑事による容疑者拉致。  千葉北署内は、騒然となっていた。      
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