プロローグ

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   トイレから、出てきたのだろう。  部屋の主は、そのまま壁のコルクボードの前に行き、貼り出している記事に目を通す。  もう、何度もそうしてるのだろう。  記事の内容を、注意深く眺めるというより、既に頭に入っている内容をなぞるようであった。 「これらの事件の担当刑事なら、私の計画の駒に最適だ」  そう言った部屋の主は、今度はデスクトップパソコンの前に座る。  そして、デスクからUSBメモリーを取り出し、保存ファイルを開く。  ファイルには、画像データが保存されていた。  部屋の主は、それを開いて画像を見ながら、携帯電話を取り出すと誰かに電話をかけた。  間も無く、相手が電話に出る。 「もしもし、あの計画。実行に移す時が来ました」 『…………』 「そうですね。詳しい計画は書面にして、メールで送信します」
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