第一章 酒口の凶行

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   また、このようなケースもある。  路上における喧嘩を目撃、通報した。  ところが、警察官が駆けつけてみると、既に当事者同士で決着がついており終結していた。  警察官は、両者に注意だけし退散する事となる。  今回も、そのようなケースに思われた。  不審者が暴れていると通報を受け、近隣の交番より警官が駆けつけた。ところが現場には、不審者どころか、暴れている者もいなかった。  警官は、誤報と判断し報告する。  ところが、これをただの誤報と判断できない状況があった。  同様の通報が三件あったのだ。  それが一件であれば、勘違いや見間違いの可能性もある。しかし、内容がほぼ同一の通報が、三件となると話しは別。  万全を期す為、北署の刑事課から二名の刑事が派遣された。  酒口 孝也。  松本 菊乃。
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