第一章 酒口の凶行

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   柿崎の意見に、賛成の意を唱えたものの言葉を続けない。  隣にいる松本は、相棒の酒口を心配してか暗い表情でうな垂れている。  そこで、酒出は話題を切り替えた。 「それで、ヒヨコの運転していた車は発見されたのか?」 「いえ、県警および千葉北署と、千葉西署の捜査員を投入しました。そこで、消息を絶った地域を中心に捜索中です」 「つまり、まだ見つかってねぇって事か」 「はい、残念ながら」 「それじゃあ、既に車は乗り替えられてるだろうな」  酒出は、不服そうに言った。  柿崎にしてみれば、その前に酒出が言った言葉の解説が欲しかった。自分が「作為的」と言った事に賛成した、その真意についてである。  しかし、この様子からして語られる事はなさそうだ。  酒出としては、酒口の足取りの方を優先させたい。  それは、警察全体での意見でもある。
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