第1霊:あぁ、儚き蝉時雨

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当然ながら僕もその証言をした内の1人であり、そんなことをいうくらいなのだから入学早々授業についていけない落ちこぼれ街道まっしぐらな生徒だ。 つまり、開始30分で既にやる気は皆無に等しいものになっていた。 「公式なんて社会で必要なことかねぇ」 僕は社会人になったら絶対に使わないであろう数学の公式や古文や漢文の読解方を訊ねてくる無慈悲な問題用紙を机に放置して、早すぎる休憩にはいった。 常々思うことだが、学校で習う事というのは果たして大人になるのに絶対に学んでおかなければいけないものだろうか? 世間では若いうちに教養を得て、良い学校へ→良い仕事へ→良い老後という永久不滅の定義が成り立っているわけだが、所詮こんなものは僕のような凡人にとってすれば夢のまた夢の話だ。 そんなにも美しく煌びやかに輝くダイアモンドストーリーを歩めるのは選びに選ばれた人間だけだ。 それは別に頭が良い悪いとかの問題ではなく、本当にその当人が世間が認める人生を遅れるかどうかといったものだ。 最近では高学歴芸人とかいうお笑いのセンスは微妙だけど、頭はいいという人達を良く目にするが、これなんかは代表的な例だろう。 必死になって寝る間も惜しんで努力して親からの懸命なサポートも受けて、やっとこさ難関大学に入ったというのに、決まった職業が芸人というのは果たしていかがなものか……。 そういわれると、世間が認める人生を歩めている人というのは実はごくわずかだということが分かることだろう。
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