第3霊:僅かな現実味、極度な異常さ

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「そんなことは、止めなくっちゃならない」 不才は至って真面目にそんなことをつぶやいた。 「僕だって今でさえ脇役という立場だけど、一度は主人公というポジションにいた男だ。これ以上の主人公の破壊は止めないといけない」 「どうやって?」 「当然、僕に課せられた使命をやり遂げていくことさ」   僕の質問にサラリと答える不才は、しかし適当にそう言っているわけではなさそうだった。 だからこそ、僕はこうして今まで使命を果たしてきたんだ。 本人は言っていないが、聞いている側としてはその程度の意味合いが込められているのだなと感じさせられた。 「僕は僕としてやれることをやる。その道中で主人公の価値をなおも下げるような輩がいたら、ソレ相応の対応もする」 机に座る不才は足を組み替えて、悠々と語る。 「これが、僕だ。そして君が軽はずみに望んで、入り込もうとしている裏側の世界だ」 脇役に成り下がった男は、しかし一切恥ずかしがる様子を見せることなく、最終確認をとる。   「どうだい?ここから先の説明を聞けば、君は否応なく村人Aではいられなくなり、脇役として生きていくことになる」 冷徹な瞳に不気味な光を宿したまま、不才は口元だけに笑みという感情をお情け程度に付け加える。 そして、告げる。   「それでもなお、君はこの世界の真実を知りたいかい?」   
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