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「親御さんへの報告は終わったのかい?」
湿った空気が漂うトンネルを連想させるその室内に入ってきた僕を見るなり不才はそう言った。
近くにはコンビニで買ってきたのであろうサンドイッチやミネラルウォーターが乱雑に並べられている。
「親じゃない。出来すぎた妹にだ」
「それはそれは。僕は一人っ子だからさ~、妹とか憧れちゃうね」
不才は適当に返事をしながら、机に並べられているサンドイッチを一つ袋から取り出して口に放り込む。
それから直ぐに顔をしかめ、口直しにミネラルウォーターを飲んだ後も同じ反応を示した。
「……サンドイッチは添加物の味。ミネラルウォーターときたら、こりゃ下水と変わらないね~…」
「そいつは偏見ってもんだ。中にはその味が好きって言ってる奴もいるかもしれないだろ?」
「そうだねー、主にこのサンドイッチを開発した人たちとか~」
不才は愚痴をこぼしながらも、何だかんだで美味しくいただいているようだった。
「食べるかい?一応君の分も買ってこさせたんだけど」
「ミネラルウォーターさえ貰えれば十分だ。いかんせん口の中が鉄の味しかしないんでね」
こんな状態で食べ物をたべでも味なんか分からないだろうし、そもそも腹は減っていない。
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