Prologue
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捨てられた後はどうなるのだろう。 それを考えると震えが来る程の恐ろしさが自分の隣に腰を下ろすであろうことを思い、幼子はなるべく現実を頭から追いやろうとした。 祖母が言っていた。あなたはこの家の“たからもの”なのよ、と。 その優しい声の記憶だけを頼りに、幼子は林のけものみちを必死に歩いた。生まれた時からずっと聞かされていた歌を、口遊みながら。 .
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