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2013年 夏 【峰村隼人】
2013年 夏
【峰村隼人】
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山の方から、ニイニイゼミの声が響く。
この近くではレッドリストに指定されるかされないかで論議がかわされている蝉だが、子どもの時分からこの声を聞かない夏はない。
だが、絶滅危惧種と言われても実感がないということは、案外危険なことなのかも知れない。
気付いた時には跡形もないのかも知れないから。
そう思うと、専門家が騒ぐことも時には必要なのかも知れない。
シーツが少ししっとりしていることを不愉快に思いながら、峰村隼人は眉根を寄せ起き上がる。
デニムに上半身は裸。男の一人住まいは楽で仕方がない。
時計を見ると、床についてからまだ3時間しか経っていなかった。
隼人はショートスリーパーである為か、このようなことは珍しくない。
子どもの頃は、もう少し長く眠れていたような気がする。
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