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確かに長い人生を眺めてみればまだまだ若いし、フットワークも軽い。やり直すこともぎりぎりで間に合う年齢だろう。
だが、女という性を、もうウリには出来ない。
したくとも、誰もさせてくれない。
何も知らないふりをすればすぐに馬鹿呼ばわりされるし、知りすぎていても可愛げがないと言われる。かといって自然体でいようものなら「何も考えてない」などと陰で笑われる。
このプレッシャーから逃げるように寿退社していった女達を、もう何人見ただろうか。
都会で独身で働く、というのは女にとっては余程根性がないとやっていけない。
幸い仕事で苦労することはなかった。
同期入社の人間がどこか足りない天然物ばかりだったので、美咲は主任の座についていた。
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