2013年 8月10日 【日嗣のぞみ・2】

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  「でも、おばあ様はあたしにって。断ったら今後は歓迎しないって。そんな雰囲気だったもん」 「……本来、そんな話はまず俺を通すものだけど……。俺、こうして夏に帰ってくるだけの長男だからか、あてにされてないから……。だからのぞみに期待したのかも。言い訳に聞こえたら、ごめん」  のぞみは口唇を尖らせながら、きっと零斗を見つめる。 「それもだよ!」 「え?」 「零斗さん、あたしのことどういうつもりでここに連れてきたの?」 「それは……」 「零斗さんがどういうつもりか判らないけど、おばあ様はすっかりそのつもりだったよ! あたしだって、何となくそういうことなのかなって思ったけど。でも、そんなことまず零斗さんの口から聞きたかった!」  まだ酔いの残る零斗は、一瞬泣きそうな表情になった。  が、2・3度頭を左右にふらふらさせると、もう一度のぞみに向かって頭を下げた。 「零斗さん、やめて」 「のぞみに、そんなことを言わせて申し訳なかった」 .
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