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パパはあたしの返事も聞かず、それだけ言うとバタンと書斎のドアを閉めた。
母屋の裏口を出て、離れの家に向かう。ドアを開けて勝手に室内に入り、ダイニングテーブルの上に苺の入った器を置いた。
海翔の部屋のドアは少しだけ開いていた。声も掛けずに出ていくつもりだったのに、海翔の部屋からギターの音が聴こえた。
ＣＤ？
いや…違うな。
聞いたことない曲だ。
海翔って、ギターが弾けるの？
不良の海翔とギター。
意外な組み合わせに、ドアの隙間からそっと室内を覗いた。
海翔は部屋の隅に座り、ギターを弾きながら楽譜に何やら記入している。
真剣な顔の海翔。
あんな顔、初めて見た。
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