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「違います、そんなんじゃない。もういいよ」
立場が悪くなり、あたしはプイッとそっぽを向く。美生ちゃんはクスクス笑いながら、自販機で買ったジュースをあたしの頬に当てた。
ひんやりとした感触に、思わず飛び跳ねる。
美生ちゃんは悪戯っ子みたいに笑ってる。無邪気だな。大人なのか子供なのか時々わからなくなる。
「美優、あまり熱くならないの」
暢気に笑ってる美生ちゃん。笑ってる場合なの?
妊娠してるんだよね?
パパやママにどう説明するつもり?
あたし、これでも心配してるんだよ。パパのことだから、穏便に話が進むわけない。
想像しただけで、身の毛がよだつ。海翔が悪魔なら、パパは大魔王だ。
大魔王と天使、勝負は戦う前から決まってる。
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