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「美生ちゃん、あの人と結婚するの?」
「高見さんにね、プロポーズされたの」
「プロポーズ!?」
だよね、妊娠してるんだから。
当たり前だよ。
「美優、声が大きいよ。パパは書斎なんだから」
忘れてた。
パパは書斎でCMの企画書を作ってる。
「あの人と…結婚するんだね。ちょっと寂しいな」
「パパとママには時期をみて話すつもり。だからそれまで黙っていて欲しいの」
「…うん」
あたしは美生ちゃんに妊娠のことは聞けなかった。
そこはまだ立入禁止区域のような気がして、踏み込むことが出来なかったんだ。
美生ちゃんはそれだけ言うと、あたしの部屋を出て自分の部屋に戻った。
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