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「何?不慮の事故って。」
眉間に皺を寄せながら、ペットボトルの蓋を捻る霧島。
「あー。話すほどのことでもないっていうか……」
「話すほどのことでしょー?人の頭、殴っといてー。」
俺の後ろから、ぬっと首を伸ばし、俺の肩に顎をのせる人物M。
ほんっとに、毎度毎度いらん時に顔出しやがって、こいつは。
「お前、余計なこと言うなよ。」
最初に釘さしとかねぇと、何言い出すかわからんからな。
「余計なことってー?俺が霧島ちゃんのペット飲んだらなぜかボコられたってことー?」
「っ!?馬っ鹿かてめぇは!」
それを言うなっつってんだ!
慌てて霧島を見る。
ゴクゴクと数回喉を通した後、飲み挿しのペットボトルをじっと見つめ、「ああ。」と短く呟いた。
………………。
あ、れ?
珍しくからかって来ないじゃん。
少し拍子抜けしていると、コート内から都ちゃんが呼び掛けた。
「霧島さーん。そろそろ始まるよー!」
コートに目をやった後、ゆっくりこちらに近づいてくる。
ペットボトルを受け取ろうと、手を伸ばした瞬間。
「うっわ!?」
伸ばした手首を勢いよく引かれ、気づけば俺の顔のすぐ横に霧島のうなじ。
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