834人が本棚に入れています
本棚に追加
/277ページ
朝のホームルーム終了後の教室。
右手にスマホを握り締め、机の上に突っ伏す。
「寛貴ー。今日、霧島ちゃん休んでるんだねー。昨日試合の後、何かキツそうだったし……。体調悪いんかなー?」
頭上から、向かいに座るミツの溜め息が聞こえる。
「……知らねぇし。」
顔は上げずに応答し、スマホを握る力を強めた。
あいつが今、どうしてんのか。
俺が知りてぇよ。
横目でスマホに目をやり、操作する。
新着メール……0件。
「………………。」
はぁ、と大きく息を吐き、再び机に額をつけた。
あいつ。
昨日、今日と。
電話かけまくってんのに、一向に出やがらねぇ。
メールの返事も来ないし。
それに……。
なんでか、一ノ瀬も休んでるみたいだし。
霧島と一緒に……いるのか?
顔の向きを横に変え、真っ暗になったスマホの画面を見つめる。
……俺にも連絡。
よこせっての。
休み時間ごとに霧島の番号へ、発信を繰り返す。
が、全くの俺の一方通行で……。
「寛貴ー。学食行こーっ。」
「………………。」
ついには昼休み。
投げやりに席を立とうとした瞬間。
机の上のスマホが激しく震えた。
心臓が跳ね上がる。
慌てて手に取り、画面を見た。
最初のコメントを投稿しよう!