縮まる距離

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朝のホームルーム終了後の教室。 右手にスマホを握り締め、机の上に突っ伏す。 「寛貴ー。今日、霧島ちゃん休んでるんだねー。昨日試合の後、何かキツそうだったし……。体調悪いんかなー?」 頭上から、向かいに座るミツの溜め息が聞こえる。 「……知らねぇし。」 顔は上げずに応答し、スマホを握る力を強めた。 あいつが今、どうしてんのか。 俺が知りてぇよ。 横目でスマホに目をやり、操作する。 新着メール……0件。 「………………。」 はぁ、と大きく息を吐き、再び机に額をつけた。 あいつ。 昨日、今日と。 電話かけまくってんのに、一向に出やがらねぇ。 メールの返事も来ないし。 それに……。 なんでか、一ノ瀬も休んでるみたいだし。 霧島と一緒に……いるのか? 顔の向きを横に変え、真っ暗になったスマホの画面を見つめる。 ……俺にも連絡。 よこせっての。 休み時間ごとに霧島の番号へ、発信を繰り返す。 が、全くの俺の一方通行で……。 「寛貴ー。学食行こーっ。」 「………………。」 ついには昼休み。 投げやりに席を立とうとした瞬間。 机の上のスマホが激しく震えた。 心臓が跳ね上がる。 慌てて手に取り、画面を見た。
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