新規事業部

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その日に大した会話を交わす事もなく。 隣に来た女史はかなり無口で、話し掛けるなオーラが凄くて。 大丈夫か、こんなメンバーで。 という一日で幕を閉じた。 どこへ行っても。全てが万全なままスタートする訳じゃない。 ――それにしても、これはないんじゃないか。と、帰る頃には溜め息が増えていた。 転職とは、労力がいる。 キャリアがあろうと、なかろうと。 ――それが、古巣だとしても。 言い訳にはならない。 ゼロからの出発、その覚悟で。明日から挑もう! 「出野部長、お先に失礼します」 夕方には居なくなったイチさん。 無愛想に先に帰ってしまった女史に取り残された私は、島の消灯を済ませてパーテーション裏の出野部長に挨拶をした 「明日から頼むよ」 ほんわかした出野部長の笑顔に、少し肩の力がやわらいだ。 まさか出野部長の笑顔にこんな癒される時がくるなんて、思ってもみなかったわ。
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