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じわじわと、忘れていた記憶がよみがえる。
言葉数の少なくなった二人だけの空間で。
――触れあう肌に、恐怖を感じた、あの夜の事。
障害が無くなれば、笑い合えると思ってた。
二人だけの世界は、もっとキラキラ輝いているものだと、思っていた。
でも、現実は。
重なりあった身体が繋がる度に。不安が入り乱れて、今にも狂いそうになるくらい、怖くなるだけだった。
――いつのまにか染み付いていた不幸体質。
報われなくてもいいと思っていた、一方通行の自己満足の感情は、狂った方位磁石みたいにいつも不安定で
それはまるで中毒のように、私の身体を侵食していた
苦しい恋は、
カタチをかえて。また、その痛みを欲する
悲恋に魅せられた私の身体は狂っていた。
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