足りない

24/24
前へ
/40ページ
次へ
ちょっと生ぬるい空気。 静まり返った、栄の夜の街は。 「名古屋って、ヒキがはえーの」 「へ?」 「夕方んなると、皆、すぐに家に帰るから。静かだろ?」 「あー」 確かに。 東京とは、違う 落ち着いた、空気。 「いい風習ですね」 「ああ、だな」 一歩、一歩。 こうやって、イチさんと肩を並べて このまま。 ――なんの問題もなく。 コトが進むと、思っていたのに……。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8331人が本棚に入れています
本棚に追加