足りない

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――戸惑った瞬間 両脇に手を差し込まれて持上げられた 気がつけばまたベッドに逆戻り。 ギシッ、と小さなシングルベッドにイチさんが上がってきて 口内に染み渡る、煙草の、味。 そのまま、壁に押しつけられて、閉じこめられた 「寝ねーの?」 離れた唇から、イチさんの、落ち着いた声 「せ、狭く……」 「全然」 視線に自信がありすぎて、思わず目をそらした 「何時だよ?」 そう言われて、ベッド脇にあるデジタル時計に目を向けた 「……っ、もう12時過ぎてます……」 焦った私を無視して、イチさんはゴロンと横になる 「おやすみ」 「……!!」 まっ……! マイペースすぎ……
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