足りない

4/24
前へ
/40ページ
次へ
そっけなさすぎて、唖然。 そんな姿を眺めながら、壁に背中を預けたままいたら 「なにしてんの」 って。ギロッとコッチを見て、そっと足首に指をはわしてきた。 その手が、あまりにも優しくて。 「……」 複雑。 こんな時まで、もう少しそんなイチさんが見ていたくてぼやっと眺める。 ――黙ったまんまの、私。 「あいてるけど? ここ」 足首を触っていた手が離れて、狭いベッドに長い手を広げるイチさん ああ、やっぱダメだ。 「……あ、シャワー」 「朝に一緒に入ればいーだろ。早く。ねみーの」 ……もう。 パフっとその胸に飛び込んだら、また。 唇が重なってきた。 好きなんだもん。 どうしようもないくらい。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8331人が本棚に入れています
本棚に追加