ＰＯＮＫＯＴＳＵ

④･ペーパードライバー･

カズの学校では3年生はもう卒業式とその予行練習を残すのみとなり長期の春休みに突入した。
本当は卒業式が終わるまで車の運転はしてはいけないという学校の校則なのだが…そんな事聞く耳持つ生徒は非常に少ないのも現実。マサルは既に親に借金して中古でHONDAのSMXを購入し、カズは親がずっと乗っていたｵﾝﾎﾞﾛﾐﾗｰｼﾞｭを受け継いだ。最もカズの親はと言うともう車に興味がある年でもなく新車で燃費のいい軽自動車を購入した。
カズは嬉しかった。
確かにｵﾝﾎﾞﾛ…しかし自分の車だ。自分がこれから自由に使えてどこでも連れて行ってくれる車だ。
カズはマサルに誘われてスーパーオートバックスへ、
二人はお互い自分の車で2台で出かけた。
マサル「まずはカーステとか超いいの付けてーんだけどたけーしな～、手始めに小粒から揃えるか～☆芳香剤と～車ん中聴くようのＣＤと～アレとコレと…」
言い忘れたがカズとマサルはお互い進学はせず同じ職場に就職が決まっていた。
地元では名のある中小企業だが、言うならば流れ作業で部品を製造する工場だ。
しかし交代制勤務で深夜帯勤務とかもある為手当てやなんやで新入社員でもそれなりの給料をもらえるのだ。