ファンタジー

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虹色に輝く果物があった。 それは美味しそうにはとても見えなかった。だってそうだろう? キノコだって見た目が派手な物ほど毒性があるなんて話を聞くじゃないか。 俺は空腹だった。ゲテモノと呼んで差し支えなさそうなそんな果物を食べざるをえないほどには空腹だった。 鬱蒼と生い茂った森の木々にぶら下がっている、丁度野球ボールぐらいの大きさの虹色に輝く果物を手に取った。 「食べて死ぬか、食べずに死ぬか……。踊る阿呆に見る阿呆、どうせ阿呆ならおどらにゃ損損ってか?」 笑えない場面に限ってくだらない言葉が出てくるのかな。 触ってみると硬いゴムのような感触だった。見た目はガラスっぽかったので意外な感触だった。 「触り心地はちょっとスイカっぽいかな」 とりあえず割ってみることにした。 これで中身グロテスクだったら失神する自信がある。 気合いの一閃、両手で鷲掴み、膝で一撃。果物はばっきりと折れた。
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