二章 あまりにも理不尽なトリップ!

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返答を見つけるよりも先に、ミシエルの頭に浮かんでいた天使の輪っかが目映く点滅し出した。 「おお、見えました! あれです! あれがぼくたちマモノビトの暮らす、――マカイへの入り口です!!」 「……魔界!?」 風の唸りで、声がよく聞こえない。 でも、高く突き上げられたミシエルの指の先に、不思議なものが見える。 リングだ。 彼の頭にあるものよりも、もっとずっと大きな、空に浮かんだ金色のリング。 周辺には雲が渦を巻き、リングの中心へ誘うように、風が吸いこまれている。 ――え、ていうか、聞き間違いだろうか。 「魔界? 一昔前のRPGとかに出てきそうな、あの魔界ですか!? 嫌です、そんなところに行くもんですか!」 「あだだだっ!! だ、大丈夫ですよ。それにほら、どんなところでも住めば都って言うでしょう?」 「無理です! 絶対に無理です――っ!!」 「暴れないで下さいってばぁ! 大丈夫です。こっちの世界の生活に慣れるまでは、ぼくが出来る限りのサポートをしますから、一緒に頑張りましょう?」 にこっ!
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