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うん……たぶん、彼は両方だ。
手伝おうという発想自体ないと見た。
「ミシエルさん……もしよければ、一緒にドアを押さえてもらえるとありがたいんですけど……っ?」
「え? あ、ああ! そう言えばそうですね! いやあ、ぼくったら気がきかなくて申し訳ない」
では、おじゃまして――と、二人して扉を押さえ、
「――で、話を戻しますけど。だったら何のようがあって私の所に来たんですか? この状況はなんですか? ていうか、今部屋の中にいるあの生き物は一体なんなんですか!?」
「質問がいっぱいですねー。ええっと、じゃあ一つずつお答えしましょう。まず、ぼくのことについて。背中に生えているコレは、ぼくのパートナーである魔物、天使さんに貸してもらっているだけです。だから、ぼく自身が天使さんだってわけじゃありません。従って、貴女の人生に幕を引きに来たのではない。ここまでは、お分かり頂けたでしょうか?」
「……」
ぼくの天使さんとか言い出したこの人ーっ!!
ダメだ。
「やっぱりダメだ!! 金髪だし、碧眼だし、顔だってカワイイ系の好青年だし、まともな格好して黙ってれば、街行く女子がキャーキャー大騒ぎするくらいの逸材なのに、精神的にその境地にまで到達してしまったコスプレイヤーさんだったなんて……なんて残念な人なんだ……!」
「心の声が聞こえてますよー。コスプレじゃないんですってば。しかしまあ、信じられないのも無理のない話ですけどね。なにしろ、貴女の場合は事が急でしたからね」
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