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友達に格下げされたのでは??
あの日、屋上で行った叫びを思い起こす。
「君に思いっきり嫌われて、ようやく目が覚めた。
今ある場所にしがみ付くことも、人を蹴落として生きることも、
愛の無い人生を送ることにも、ようやく終止符を打てたんだ」
嫌....嫌ってないし.....。
でもなんだか、
成宮さんの人生のターニングポイントを
私が作ったとか言われると下手に否定出来ない....。
「こんな僕を友人にしてくれた」
もの凄く、こっちが恐縮です.....。
「君には感謝してる」
「いえ...」
自分の株の上昇率に面くらったが、
話しぶりからして、彼の中ではもう私は過去の女のようだ。
ちょっと寂しい。
けどまあ、こんな私が役に立てたって事は、
結構、嬉しかったりする。
「成宮さんは、今好きな人とかいるんですか?」
つい尋ねた。
ゆったりとした視線が、私を包む。
「いるよ。でも手に入らない女だな」
拳の上に顎を乗せて、ピタリと私に長い指先を向けた。
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