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「アンタに踏み出して欲しかったのは、
彼に一歩近づいて欲しいってことでしょ。
一生変わらずに愛する自信がなかったら、こんな回りくどいこと、出来ないよ」
モリリンが、小栗の想いを語る。
「意外とさ、あんたの痛み、
この草食男子君は、よーく理解してるのかもね」
と、レーナもモリリンの意見に付け加えた。
二人が見つめる。
「会ってきたら? フランス行っちゃうんでしょ?」
レーナが、誘惑する。
けれど、この告白から、既に3ヶ月も経っている。
それに告白に対して、断りを入れたような発言をしているわけで、
今も有効だなんて考えるのは、虫のいい話だ。
人の気持ちは移り変わるもので、
今の愛は、惜しげもなく変えらえる。
だってさ、
それがオトコってモンでしょ。
きっと、小栗だって、今も、このときの小栗のままなわけ...ない。
『待ってるから』
私の部屋を出る時に言った、アイツの言葉。
其の言葉は、
”今も、私の言葉を、待ってる” ....の?
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