7 relight my fire

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政基はもちろん入籍だけで済ませたいなんて言ってない。けれどこの状態で結婚式までするのはしんどい。さやかちゃんが少し首を傾げてとんでもない事を言った。 「それなら、いっそ、麻衣子さんと一緒にやればいいんじゃないですか?」 「あら、さやかちゃん。いいこと言うわね。どうする百合江ちゃん?」   それだけは勘弁して下さいよ。麻衣子と一緒になんかやったら、どんな大げさな事になるか。 「わかった。やる。一人で、いや政基と二人で、自社ビル出来てからひと月後に必ずやる」   とっさにでた言葉に自分で嫌になる。有言実行。これはSEASONSの掟なのだから。   どっぷりと疲労感に包まれて自宅マンションに帰ると、政基が待ち構えていた。なんだろう? 別に連絡なんかなかったし、用事でもあるのかな? 彼は私に気がつくと手を上げた。 「政基どうしたの?」 「ああ。ちょっと」   妙に歯切れの悪いセリフになんだか不安になる。 「いつから、待ってたの? もう九時だよ?」 「いや、俺もついさっき来たとこ」   ついさっき、来た雰囲気じゃあなさそうなのは気のせいだろうか? 「とりあえず中に入れてくれないか?」 「ああ、そうだね」   私たちはエントランスに入り、エレベーターのボタンを押した。部屋に入り電気をつける。バタバタとエアコンをつけたり、コートを脱いだりする。 「お腹すいてる? 私今日、済ませて来ちゃった」 「俺も食べてきた」   私はひとまず、政基に缶ビールと、サワークリームとクラッカーを渡す。 「ちょっと着替えてくるから、待ってて」   寝室に入って、スーツから、お気に入りの、黒に小さなピンクのドットが着いているルームウェアの上下に着替えて、針山並みに刺さっているピンを全部抜いて髪をほどいた。リビングに戻ると、政基がいつになく緊張した顔で座っていた。 .
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