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スタッフも総勢四十名に増えた。新しい人材の研修も、麻衣子の謎の人脈で実力があるのにくすぶっていた人や、優秀な人を引っ張ってきたので、さほど時間はかからず、即戦力になってくれる人ばかりだった。
再来年からは新卒採用も検討していく予定だ。
麻衣子の左手にはマリッジリングとエンゲージリングが光る。
麻衣子の宣言どおり麻衣子のお母様がプロデュースした結婚式は、そりゃあもう絵にも描けないんじゃないかと思うほどの豪華絢爛な物でしたよ。日本人なら誰でも知ってる高級ホテルで、出席者の人数は五百人。中にはチラホラと雑誌で拝見した事ありますよ？ と言うような顔ぶれも。
ＳＥＡＳＯＮＳからは私とさやかちゃんが出席した。よかったよ。あの時合同結婚式になる展開を防げて。あの場にお父さんがいたら、「とにかく早く終ってくれ」と言う雰囲気を醸し出していた当事者の遼一くんと同じ状況に追い込まれていたでしょうよ。
麻衣子はその遼一君を眺めて楽しんでたけどね。まあそれはいつもの事。
「それにしても海が見える式場っていいですね。さやもそうすれば良かった」
さやかちゃんがにこにこと笑う。さやかちゃんも二ヶ月前に直ちゃんと結婚した。結婚式は割りと普通のレストランウェディングだった。結婚式はね。
問題は二次会だった。むしろ、さやかちゃんと直ちゃんは結婚式なんかあまりこだわっていなかったんじゃないだろうか？ むしろやりたかったのは二次会だったんだと思う。
ああ。どんな二次会だったかと言いますとね。
出席者全員コスプレ強制なんですよ。忙しい時期にも関わらず、うちの前々からいたスタッフはほとんど出席予定だったから、この準備にも追われた。
当然新郎新婦も、コスプレなわけで、直ちゃんはさやかちゃんの初恋の人『銀英伝』のヤン様とやらに。さやかちゃんはそのお相手役に。
あの軍服っぽいやつ、どうやって作ったんだろう？ 隙がなく本物に近いと、直ちゃんの同僚のアニメに詳しい人が言ってたけど。
ちなみに私達は、ルパン三世ご一行様になりました。これなら準備にさほど時間もかからず、さやかちゃんの希望でもあったから。
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