8 six month later

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「百合江さんが思いきり峰不二子になるとこが見たいですし、麻衣子さんはルパンかなー。次元かなー」   そんな訳で、私は峰不二子。麻衣子がルパン。一緒に招待された政基が次元。   そして、石崎君が五右衛門。みんな妙にどハマりしていて、最初はブツブツ言ってた政基と石崎君もなんだか楽しくなったようだった。 「銭形警部がいないのは残念だな」   なんて言い出す始末。うん。面白かったですよ。最初に招待状が来た時はどうしようかと思ったけど。   さやかちゃんの結婚式から、政基と石崎君は妙に意気投合してしまった。最近はUNITEにも麻衣子も含め四人で飲みに行く。自分で言うのも何だが、私を挟んだ恋敵同士のはずなのに、最早それは忘れてしまいそうだ。   因みに本当は遼一君が銭形警部をやるはずだったのだが、アルバイトの子が欠勤して、二次会には行けなかった。  「なんで僕が銭形警部なんですか?」   そんな文句を言ってた割に参加できなくて悔しがっていた。まあ、あれは中々経験できない、楽しい二次会だったもんね。 「百合江ちゃん、お父様がいらっしゃったから、私たちはこれで退散するわ。また後でね」   外ヅラモード全開の麻衣子とさやかちゃんが、お父さんに、挨拶をしてから、控え室を後にした。 「百合江、綺麗だな。まったく、正月帰ってきた時は結婚の『け』の字も聞かなかったのに、決まる時は早いっていうのは本当だな」   お父さんは、嬉しそうな、少し寂しそうな複雑な表情を見せる。父子家庭の私たち親子は色んなことを二人で乗りきってきた。私もなんだか寂しい気持ちになる。 「そうだ。これを。お母さんの形見だな、百合江に言われるまで忘れていたよ」   お父さんはそう言って私の首に真珠のネックレスを着けてくれた。   サムシングオールド。 何か古いものを身に付ける。私はお母さんの真珠のネックレスを思い出して、今日、お父さんに着けて貰おうとお願いしていた。 .
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