7 relight my fire

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「ずいぶん濃いものが食べたいんですね。うふふ」   発言がどっかのセクハラじじい並みなんですけど。   はーっ。と私は肺から空気を全部出した。でも確かに濃いもの食べたい。ねっとり、こってりしたものが食べたい。あのでっかいチーズのなかで、手早くかき混ぜられたリゾットが食べたい。   あ。おなかすいてきた。 「じゃあ、あそこにしましょ。何しろ百合江ちゃんの男日照り終了だもの。ぱあっとお祝いしないとね。うふふ。それに、私からも報告があるの」   麻衣子は嬉々としてお気に入りのトラットリアに予約の電話をかけ始めた。   何だろ? 報告って? ちらりとさやかちゃんを見ると、さやかちゃんも分からないといった表情をしている。 「さあ。急ぎましょ。おなかがすいているのは百合江ちゃんだけじゃないの。私もよ」   私たちは麻衣子に引きずられ、会社を後にした。 「私はいいわ」   予約した店のテーブルに座って、麻衣子がワインリストを見もせずそう言った瞬間、私とさやかちゃんは凍りついた。まさか。まさかだよねえ。 「麻衣子、ご報告ってまさか」   麻衣子は一際キレイに微笑んだ。 「そうよ。妊娠したの」   絶句。さやかちゃんも固まったままだ。えっ? そんなことあんの? この用心深い麻衣子が?  「そういう事だから、自社ビル、予定より早めに動く事にするわよ。カタログと平行させるから。百合江ちゃんがリストアップしてた物件からもう決めてきたわ」   固まっていたさやかちゃんの時間がようやく動きだした。 「麻衣子さんって、出来婚とか絶対しない人だと思ってたのに」  あっ。動揺しすぎてオブラートに包むことさえ出来なくなってるなこりゃ。麻衣子はメニューを置いてクスクス笑った。 「あら、さやかちゃん、授かり婚と言って欲しいわね」 「それはそうですね。失言でした」 さやかちゃんは動揺の色を隠すように視線をメニューに下げた。今度は私が聞くか。 .
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