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いよいよ私のお目当てのリゾットが来た。巨大なパルミジャーノレッジャーノがワゴンに乗っている。このチーズの迫力! 圧巻ですな。と思っていたら、麻衣子の顔色が悪くなった。
「変ねえ。私も大好物なのに今は見たくも無いわ」
そう言うと、ゆっくりと立ち上がり、レストルームへ向かった。
つわりだな。悪いけど私は食べるよ。今後の為にもしっかり体力をつけないと。
リゾットを食べ終わる頃に、麻衣子が戻ってきた。少し顔色が悪い。
「変ねえ。今までは何ともなかったのに。これもつわりなのかしら?」
首を傾げながら、ゆっくり水を飲む。さやかちゃんが、心配そうに麻衣子を見た。
「うちのお母さん私がお腹にいた時かなり食べ物の好みが変わったって言ってましたから、そういうこともあると思います」
なるほどねー。妊婦にも色々あるのね。麻衣子はナプキンで口元を拭いた。
「とりあえず今日は解散しましょ。話は明日つめるわよ」
顔色が徐々に戻ってきた麻衣子を見て私たちは少し安心して、店を出た。
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