7 relight my fire

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麻衣子の妊娠婚約報告で、SEASONSはスタッフ全員がよりいっそう馬車馬モードになった。   私も駆けずり回っている。もう、新しい人員の確保やそれからの育成のために借りなきゃいけない施設をおさえないといけなくて、頭の中をフル回転にしている。平日があと二日欲しいくらいだ。   土曜日もお昼まで出社していたのだけれど、帰宅すると政基から電話があって、政基が私のマンションに来た。 「かなり疲れてるみたいだな? 食事はなんか頼むか?」 「ううん。もう実は買い物だけしてきてるし、こういう時に食べる事怠けると、癖になるから」   私はキッチンに立って、レタスを剥き始めた。背中に政基の視線を感じる。 なんかいいなあ。この感じ。そう思い始めた頃政基が私の肩を抱いた。 「なあ、百合江」 「ん? 何?」 「結婚しようか?」 「は?」 「おまえ、昔から、そういう返事ばっかりだな『は?』とか『へ?』とか」 「だって、急にそんな事言われれば、誰だって驚くよ」   私は気づくと大量にレタスを剥いて、これでもかと言うくらい細かくちぎっていた。 「それにまだより戻したばっかだよ?」   政基はちょっと不機嫌そうにため息をつく。 「百合江、もう時間とか無駄にしたくないんだ。いずれにしろおまえといればそういう事になる。だったら早い方がいい」   言われてみれば。そうかもしれない。でもなんか、勢いで言ってない?   私が考え込んでいると政基は私をきつく抱きしめた。 「もっとシンプルに考えてくれ。結婚したいか、したくないか」   したいか、したくないか。たぶんしたい。   最近じゃあ自分にとって、一番遠い事になっていた「結婚」の二文字をこんなにも簡単に手繰り寄せている自分に驚いた。 .
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