白と黒

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「うー・・・」 変な唸り声をあげながら 白い制服に身を包む一人の少女 今日、一人の少女は夢を叶えたのである 少女の名は来宮アンナ 今年で19歳の身長160センチのショートヘアの女の子 自分の夢を叶えたはずが何故変な声をあげているのか それは案外簡単な事だった 入隊式の会場に脚を踏み入れた瞬間彼女に視線が集中した そうなるのが目に見えていたのである 「(そうだよね・・・だって私以外”黒い制服”だもん)」 黒い制服の中に白い制服が一人だけいる状態 まず此処で疑問に何故彼女だけが白い制服なのか 決して誤発注で彼女が仕方なく着ている訳ではない ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 入隊式会場にて 「本日から君達が“SCE”を志願し、無事入隊を果たした事を嬉しく思う 君達は多くの志望者の中から選ばれたいわゆる原石であり、石を磨き上に立てる機会を君達は掴んだのだ」 上官が新人に叱咤激励を贈る中 入隊式の最中に会場に途中から入室してきた しかし誰も遅れて来た事に文句を言う者はいなかった 恐らく任務が終わってから会場に向かったのだろうとみられ、腰には日本刀を携えたままだった 白き隊服を翻しながら上官席に座る一人の男 そして彼の後ろについて歩いてきた金髪の小柄な男 上官というには少し若そうなイメージの二人組だった 「なあ・・・あれって」 「あの人だろ・・・入隊してわずか1年で部隊を任されたっていう」 「神崎蒼隊長だろ」 「一緒に居るのって紅志義隊員だろ」 新人がざわつく中で彼の名を当たり前に口にした 神崎蒼と紅志義いう人物はそれだけ凄い人物のようだ そして彼女と同じく白い隊服を着ている 「最後にSCE特別部隊Sクラス隊長神崎蒼から一言、お願いします」 神崎蒼は腰に携えていた日本刀を外し志義に託し、壇上に上がった 壇上に上がっただけで会場の雰囲気が一気に変わった 「挨拶は短めにさせて貰う 凶悪犯罪に対し刑法典の規定外の犯罪に対して適用する刑罰法規を扱う事を許された国家組織SCEが創設された事により事件は年々減少してきている
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